チーズは古くからある食品で、フランスやオランダなどの西洋諸国だけでなく、日本やモンゴル等のアジアでも、世界中で生産 されています。また、食生活や風土に影響を大きく受けるため、カマンベール、ゴーダ、エメンタールなどの性質の異なった種類 のチーズが存在します。チーズは嗜好品としてだけではなく栄養が優れているため、健康志向の追い風によって年々チーズの消費 量は増大しています。しかし、チーズの生産が増大したため、凝乳酵素の不足が起こりました。

 チーズは仔牛の第四胃から得られるキモシンを主成分とする凝乳酵素(レンネット)によって凝乳が起こり、それから乳清を取 り除き、熟成したものです。凝乳酵素不足の対策として、微生物などの代替酵素が探索され、カビ等が生産する凝乳酵素が発見さ れています。多くの国で代替凝乳酵素が使用されています。

 皆さんも御存知の通りにも、日本の伝統食品には大豆を用いた食品が多く、醤油、味噌、豆腐などがあります。また、沖縄に 『豆腐よう』という食品があります。これは東洋のチーズと呼ばれています。このような風変わりなチーズが存在しても面白い と思いませんか?そこで、本研究室では豆乳からチーズの代用品の製造を検討しています。豆乳は、牛乳と比べても、タンパク 質やビタミン類、鉄など多く含み、また、低脂肪であり、糖質が少ないので健康維持にとって牛乳より優れているとも言えます。 また、大豆レシチン、サポニンや大豆イソフラボンなどの成分も健康に良いとされています。  このため、豆乳からチーズの代用品ができればチーズの保健効果とは少し異なりますが、高い保健効果が得られるのではないか と考えたからです。

 まず、チーズの最大の特徴は“凝乳”です。牛乳ではキモシンを主成分とする凝乳酵素があり、凝乳過程も段々とわかってきています。しかし、豆乳にはハッキリとした凝乳酵素はありません。また、凝乳過程も明らかではありません。植物性プロテアーゼや微生物由来プロテアーゼなどの酵素には豆乳の凝乳活性を持っているものがあり、それらの酵素を使用して豆乳の凝乳を検討した報告もあります。
・本研究室でも豆乳の凝乳酵素の取得、チーズ様製品の製造について検討しています。


☆チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズに大きく分けられ、乳等省令で以下のように定義されています。

◆ナチュラルチーズ
 乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)もしくはクリームを乳酸菌で発行させ、 または乳、バターミルク若しくはクリームに酵素を加えてできた凝乳から乳清を除去し、固形状にしたものまたはこれを熟成した もの  前号に掲げるもののほか、乳、バターミルク又はクリームを原料として、凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであっ て、同号に掲げるものと同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するもの。


◆プロセスチーズ
 「プロセスチーズ」とは、ナチュラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。

(引用:現代チーズ学)

上記のため、豆乳で製造したものはチーズに分類されません。そのため、チーズ様製品と呼んでいます。